もっと、もっと、唄おうと思う。

日本列島津々浦々、アッチコッチに音楽を楽しめる店があるわけだ。そしてどこだってそうだと思うけど、こんな店作るヤツが、音楽が嫌いなわけがない。そこらへんのヤツよりも、さらに音楽が好きで、しかも、それに加えてちょっとアホだから、こんな店を作っちゃうのだ。

ワシよりちょっと前に、こんな店を作ったある先達がいた。頻繁に更新されるblogの、お客さまと一緒にいろんな音楽を楽しんでいる、そんな記事を楽しく読んでいた。しかし、あるとき、こんなウワサを耳にした。

「あそこ、マスター出過ぎ」

ワシは、なるべく出ないようにしよう、と思った。え、アレで? とか思わないでね。諸事情により出ざるをえなかったり、ここ最近は意図的に増やしたり、いろいろあるのよ。

「オマエは所詮、飲み屋のマスター。ミュージシャンじゃないんだよ」

そんなことも言われた。おっしゃるとおりである。しかし、飲食店なら、原価が低くて回転が速くないとダメである。ライブハウスなんて、客単価は低いし、お客さんの回転は“ゼロ”だから、カネモーケ的には最低で、最悪だ。アメリカじゃ、どうにも見込みのないクソ商売に手を出そうとしてるヤツを諫めるのに、ヘイ、ユー、そういうのはライブハウスやるようなもんだぜ、とか言うそうな。そんなイディオムになっちゃうようなビジネスなのだ。

そんなショーバイ的にはボロクソなライブハウスなんかやってるヤツは、音楽が好きで、音楽をみんなと楽しむ場所が欲しくて、自ら進んで貧乏クジを引いた音楽バカである。オレにも唄わせろと、ステージにしゃしゃり出ちゃうくらいに音楽が好きだから、唄や演奏が好きだから、苦労ばっかりでちっとも儲からないのに、こんな店やってるんだっつーの。マスターがミュージシャンで、ナニが悪い。

それに、お客さんにしてみれば、ライブハウスのマスターなんて、そこんじょそこらのヤツからアタマひとつ突き出した音楽バカである。そんなヤツが、さらっとかっちょいい弾き語りくらいできなくて、どーすんの。

と、いうわけで、茅ヶ崎某店ことBOTCHY BOTCHYも、10年。大好きなこの場所で、もっと、唄おうと思う。そして、大好きなこの場所に縛られることなく、店の外でも、ほかの店でも、ほかの地方でも、もっと、唄おうと思う。マスターでなくてもいい。ミュージシャンでもなくていい。自分の声と、自分のギターで、自分の歌を唄おうと思うのだ。

Author: shun

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