終わりの季節


仏事も終わって、弟たちと晩飯。そう、天満駅近くのアソコである。ここんち、昔は名物のオッチャンが各ブースをひょこひょこ回ってきて、一枚一枚そりゃもう愛情たっぷりに焼いてくれる「宇宙一うまい」店だった。客のタッチ(笑)はもちろん禁止である。愛情たっぷりってのは、誇張でも比喩でもなくて、まさに事実なのだ。あのオッチャン、一枚一枚のお好み焼きを、まるで我が子のように慈しみながら手間暇かけて焼いてくれたのだ。
それが数年前の天神祭の頃、オッチャンが死んでしまってさあ大変。ちゃんとした後継者(経営の話ではなく味の継承ね)がいなかったようで、各テーブルにストップウォッチを置いたりいろいろ試行錯誤して、それなりに頑張ってたりしてた時期もあったんだけど、今日見ているとブースを回っているのは若い女性スタッフだけ。そしてこともあろうか、バイトなのか血縁なのか知らないけど、ひとりだけ混じってたニーチャンのスタッフがお好み焼きをひっくり返すときに、なんとお好み焼きが割れちゃって、エビとイカが飛び出しちゃったぞ。こんなばかげた光景、この店に通って数十年、見たことも聞いたこともない。
しかもそのニーチャン、それを放置。そして「まだ食べんといてな」などと馴れ馴れしく書かれたプレートをペシッと置いて去っていったではないか。そんなもん、口で言え口で。そしたら「まだ出来てませんので食べんといてくださいね」とか、ちょっとはまともな言葉遣いになるんとちゃうんかい。
写真は、わたしが飛び出した具を押し込んで修復したあとであるが、大きなクレパスが痛々しい。あんな焼き方なら、かつてオッチャンの焼き方を見つめ続けてきたこの店の常連ならだれでも、もっとうまく焼けるぞ。さらに言うなら、テクニック云々以前に、お好み焼きに対する愛情が、微塵も感じられないのが悲しい。タネのレシピは伝承されているようで、基本的な美味しさは残っているし、だから相変わらず客が並んでいるわけだけど、うーん、栄枯盛衰って言葉もあるように、こりゃもしかしたらあの店、終わりの季節に入ったのかもしれないなあ。(-ω-;)

Author: shun

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