懺悔します。(裁判日記番外)

懺悔します。

あくまでも、何年か前の話です。

いやねー、わたしも主体性の無い人間だっちゅーか、ちょっとした出来事で気持ちがぐらついたり、言うことが変わっちゃったり、やってることがちぐはぐだったりするわけです。

何年か前は、そういう意味では、自分がどこか行っちゃってたなあ、と思います。夢も、未来の展望もなく、ただ、惰性で生きてるだけのような暮らし。

音楽が好きで、みんなと一緒に音楽を楽しみたくて、だから始めたはずのBOTCHY BOTCHY。なのに、いつのまにか、なんでこんな店やってるんだろう、誰のためにこんなことしてるんだろう、なんて思っちゃったりもしてね。

店を作るとき、そのコンセプトとして「ワタシがこのお店で追求したいワガママは、ワタシのワガママをお客さまにガマンさせる、ということではありませんが、お客さまのワガママをワタシがガマンすることでもないのです」なんて書いたけど、いつのまにか、これじゃお客さまを喜ばせるために、一方的に自分がガマンしてるだけぢゃん、という気持ちになっちゃってたのです。あ、冒頭に書いたように、あくまでも何年か前の話です。

マスターがそんな気持ちでやってるような店が、楽しいはずもなく、お客さまが増えないのも当たり前なのに、そんなあるとき、アレッと思っちゃったのです。

茅ヶ崎の店なのに、茅ヶ崎のお客さまが少ないぞ。それでダメなのか。

そこでわたしは、まあ、どこかの誰かの飲み会に顔出すとか、そんな程度のことからだけど、茅ヶ崎の人たちと仲良くなろうとしました。

でも、残念なことに、そんな場所での話題は、忘れられない音楽の想い出とか、どうしたらあそこのギターのフレーズが弾けるようになるか、とか、歌唱のフェイク(improvisation)はどのくらいまでならクサくないか、とか、そういう心が温まったり、胸がワクワクするような話ではなく、ぶっちゃけ、身近なことへの不平不満だとか、人の噂話が中心なのでした。

そしてわたしも野暮な人間なので、一緒に低俗な話で盛り上がったり、人の噂話に興じたり、言うべきでないこと、喋るべきではないことも話題にあげたりと、低劣なおしゃべりを繰り返していたわけです。つまり、わたしは「口を開けば店や客の愚痴ばかりの下衆野郎」だった、というわけです。ホント、恥ずかしいことです。

あのころ、わたしの口に上ったみなさん、あのころ、わたしの愚劣な言葉を耳にしたみなさん、本当にごめんなさい。

あのころ、わたしは“この指とまれ”して、一緒にはしゃいでるように見える人たちが、傍目にうらやましかったのです。友達がいっぱいいて、いいなあ、なんて思ってたのです。でも、そんなの、ホントの友達というより、単に、いじめられるのが恐くていじめっ子のグループに顔出してるようなものだったのでしょう。たぶん、みんなが。

あいつはいつもの 笑顔でいるけど
胸の中にまたひとつ やばい事隠してる
友達づらして 手招きするけど

この指とまれ この指とまれ
ガキの遊びじゃあるまいに
オイラとにかくちょいとゴメン(吉田拓郎)

誰かのナニかをガマンするなら、まだ理由によっては納得できるでしょう。でも、自分が、自分にガマンするのは、それは無理でしょ。さらに、心が鈍磨しちゃって、自分が自分にガマンしていること自体に、自分が気付かない。そんな状況が、あのころです。

しかし、あるとき、あ、オレ、いつのまにか飼い慣らされてたんだなあ、と、気付いたのです。アラカンなんて年になり、このまま、死ぬまでダラダラと生きていくのか、と思ったとき、ふと、言いようのない恐怖感に囚われたのです。

カラダが動かなくなったり、病気になったり、あるいはあるとき突然胸の激痛に襲われたりして、この世を去るときが、いつか、そう遠くない未来に、わたしに訪れる。そのとき、人生の後半の最後、一番大事なときを、惰性で終わらせたことに、身を捩りながら後悔するんじゃないか、と。

と、そんなことを2017年の大晦日、blogに書いていました。

まにあうかも知れない、いまなら。
いまの自分を捨てるのはいまなんだ。(岡本おさみ/吉田拓郎)

それが、わたしが一人になり、また、BOTCHY BOTCHYを、1から、音楽が好きな人と一緒に、音楽を楽しめる店にしよう、と思った唯一の理由です。まー、いろいろ言う輩がアッチコッチにいることは耳にしています。自分もそんな集団をウロウロしてたから、状況、よくわかる(笑)。が、ここでハッキリ書いておきます。って、ホント書いててバカみたいだけど、わたしは、わたしのやりたいことがあったから、いまの人生を選んだのです。少なくともそこに、特定の女性の影はないのです。

それはともかく、この懺悔は、あのころの、自分の行動を心から恥じ、謝罪するものなのです。あのころ、わたしがうっかり話題にしてしまったみなさん、わたしの汚い言葉を耳にしてしまったみなさん、本当に申し訳ありませんでした。

追記:
そんなこんなで、知ってる人は知ってるようにいろいろ理不尽な横槍喰らいつつも、わたしはいま、「それは楽しいか? 正しいことか?」をスローガンに、チョー充実した毎日をハッピーにおくっているのだ。

Author: shun

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