8月6日の空

この日は、なんだか特異日のように、いっつもピーカンに晴れて、朝から入道雲がもりもり、という印象なんだけど、今日は曇り空の8月6日。

ふつうの人は、朝起きたら、その日もいつものように、昨日と同じような当たり前の一日がはじまると思ってるのだ。はるか南の空を、自分たちを焼き殺すための熱核爆弾を積んだ飛行機が、こっちへ向かって飛んでるなんて思いもしないのだ。

あのときは、人間が手で運び、意思をもって数十万の無辜の人々が暮らす都市の上へ、その兵器を落とした。しかし熱核兵器はやがて、弾道ミサイルに積まれてボタンひとつで誰かのアタマの上へ飛んでいくようになり、いまや本国首都の地下で、モニター画面を見ながら、地球の裏側に住んでる特定の誰かを殺せるようになっちゃった。

今日は原爆の日。77年前、アメリカという国が、日本の広島という都市に、人類ではじめて熱核兵器を使用した日である。罪もない一般の人を、一瞬にして、何十万人というオーダーで焼き殺す。そんな行為を人間が実行できるということが証明された日だ。あれから77年たっても、熱核兵器は、わたしか、あるいは誰かのアタマの上で炸裂するときを待っている。いま、この瞬間も。そんな世の中で、ぼくたちは、なにをすればいいんだろう。とりあえずカップ焼きそば喰いながら、ネコのことを思い出して泣いてていいのか!? なんて思うわけだけど。

Author: shun

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