アニキの告別式

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ワシは関西人だからか、あるいは長男だからか、あんまり"アニキ"という言葉は使わない。水谷豊だっけショーケンだっけ、ドラマの「アニキぃ」って言葉も、どこか落ち着かない響きしか感じなかったわけだけど、そんなワシでも心の中でアニキと呼ぶ、というか、他の言葉では呼びようがない数少ない相手が何人かいる。そのひとりが亡くなって、今日はその告別式だった。
カメラマンだっただけに、ロビーはまるでヒコーキやクルマやバイクの写真展会場。そして壁の写真の下には、EOSなどの愛機やライディングギアが展示されていた。しかし実は亡くなるすこし前に手放しちゃって、ここには並んでないモノがある。それはギター。そして、なんとそれはワシのところにあるのだった。ブルースっぽいのやスタンバイミーなんかのロックンロールをアニキが弾いていたオベーションは、これからもワシの手によって、古今東西和洋中、節奏のないメロディを鳴らされることになるんである。

アニキ、安らかに。