今日のサザンビーチ と役人の犯罪


今日朝9時の放射線量は50nGy/h。8時は54nGy/hだった。夜明け前から降った雨で、数値が上がったんである。この程度の小雨でも、こんなに上がるんだなあ。ていうか小雨の方が高くなるのかもしれない。そのへんの統計はないんかなあ。
今朝の新聞に、原発周辺住民の避難パターンによって、被曝量(あくまでも外部被曝のみ)に大きな差があったことが報じられていた。しかし、こんなの当たり前である。原発が爆発し、核物質が大量に飛散したんである。飛散した核物質は、当然、風に流れて拡散するのだ。で、これが火事なら、話は早い。煙がモクモク流れるから、風下にいればケムい、目が痛い、臭いなんてことになって、みんな風上方向に逃げるだろう。ところが核物質は目に見えない。臭いもない。だから、みんなにはわからない。
なので、文科省には、もう誰でも知ってるSPEEDIというシステムがあった。緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステムちゅって”原子力発電所などから大量の放射性物質が放出されたり、そのおそれがあるという緊急事態に、周辺環境における放射性物質の大気中濃度および被曝線量など環境への影響を、放出源情報、気象条件および地形データを基に迅速に予測するシステム(by wiki)”なんである。なので、当然のことながら、3月11日の夜に原発で事故が起こったから、ぶっ飛んだ原発の事故データは仮定で置き換えつつ、実際の風向きによって周辺地域の大気中放射線濃度や地表の蓄積量などをSPEEDIで配信したんである。
原子力安全・保安院は、それを握りつぶした。官邸にも報告しなかった。その結果、原発から同心円で設定された”安全圏”である飯舘村など風下に避難した人たちは、最高で20mmSv近い被爆をすることになったのだった。これは、未必の故意ではなく、明確な犯意を伴った犯罪である。わかってて国民を被爆させた、という意味においては傷害あるいは殺人未遂にも匹敵する刑事犯罪だし、国民の税金で運営し国民の健康のために収集していたデータを故意に隠蔽したのは「公共の利益のために勤務」するという公務員の義務違反であり、倫理的には国民に対する背信だ。なのに、この国の官僚システムは自己保身に関しては抜群によくできていて、これだけの重大犯罪が目の前で行われていながら、だれが、なんのために、どうやってそんなことをしたのかが、まったく明らかにされないようになっているのだった。
おかしいだろ、それ。と、怒って真実を追究すべき報道機関も、実質的には沈黙で彼らを擁護している。事故当時、政府のスポークスマンと化して安全だ安全だと言い張ってきたマスコミは、だからこの件もちょいとトーンが弱い。あくまでも、放射線医学総合研究所ちゅーところがまとめたこんなデータもあるよ、みたいなニュアンス。結論は、おきまりの「健康に影響は考えられない」だ。おまえらなー、社会の木鐸を気取るなら、誰がSPEEDIのデータを止めたか、キッチリ追求してこいよ。

Author: shun

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