今日のサザンビーチ と今日の放射線量

今日朝9時の線量は0.039μSv/h。そしてこの24時間は38〜39で推移していたようだ。
スクラム(トリップ)した高浜4号機は、無事、冷温停止にもっていけたようだ。しかし再稼働の大きな流れに乗ったのか、他に大きな報道がないからなのか、ひっくり返りそうになるコラムが散見されるなあ。
まず「無知、不勉強、小泉元総理の反原発放言」と題された、WiLLプレミアム on Yahoo!ニュースの記事。奈良林直なる北海道大学大学院教授が原発ゼロを主張し続けている小泉元首相をボロクソ書いている。分限春秋に掲載された「小泉純一郎独白録」を読んで、“原子力に対する無知、不勉強を自ら白状したような酷い内容です。「こんな人が日本の総理大臣を務めていたのか」”とまでこき下ろしている。
有料記事のタダ読み部分だけなので、もしかしたら違う結論が書いてあるのかも知れないが、なんで首相が、いちいち知識と数字で反論できなくちゃならんのだ。アホかオマエは、と思わず書いちゃいそうになるわけだが、この学者は、つまり、原発がないとこれだけ日本が困るという自分の理屈がわからん(=理解できてれば原発が必要だと言うはず)人間は無知で不勉強だと言ってるわけだ。
しかし政治家に必要なのは、双方から見ればどっちとも取れるような数字や理屈ではなく、洞察力やビジョンだ。独白録で小泉は言う。

・ドイツはゼロ宣言しても、まだ原発八基ぐらい動いているだろう。日本は宣言せずに、四年半も実質ゼロでやれている
・「冬が来れば、ゼロが駄目だというのがわかる」と言われたんだ。ところが、寒い冬も暑い夏も停電ないよ。困らないんだ

まったく、その通りだった。もちろんその後ろに、増えた火発の比率だとか、増大した化石燃料の購入費だとか、いろいろあるわけだけど、しかし、小泉は政治家として「原発は安全だと思ってたけど、そうじゃなかった。うっかりすると国が滅ぶ。しかも使用済み核燃料の問題もあった。いまは大変かもだけど長い目で見て、国の未来のために原発をいますぐなくすべきだ」とゆっとるのだ。そのビジョンに対して、原油の輸入費の増加だとか、目先の数字で反論しても意味がないのだ。ま、奈良林直というのは、もともと東芝で原発でカネモーケして、大学教授に横滑りした、典型的な原発ムラ住人の御用学者。頭でっかちなお勉強では、目先の利益は見えても、国家の未来は見えてこないのだろう。

もうひとつ、ある意味、愉快犯的な物書きなのかと個人的には思っている池田信夫が、「福島第一原発事故は「メルトダウン」ではない」というコラムを書いていた。確かに今回の東電のリリースでは“炉心溶融”は出てきても、メルトダウンという言葉は出てこない。東電や保安院がメルトダウンという言葉を使わないのは、自分たちがそういう大チョンボをやらかしたことを認めたくないからとかいうより、それが英語だからだ。
池田信夫はさらに“「メルトダウン」という言葉の正式な定義はないが、チェルノブイリのような死亡事故をさすことが多い”と書くが、そんな新解釈、初耳だ。誰も死んでないスリーマイルだって、リッパにメルトダウンと書いてある。だって、ただ「溶け落ちた」つー意味なんだから、核燃料が溶け落ちたという話を、英語では他に書きようがないだろう。日本の役所や企業は、それは英語だから、日本語で炉心溶融と書くだけの話だ。“政府事故調などの公式文書ではまったく使われていない”とか書いてるけど、それは“炉心溶融”と違ってメルトダウンという言葉に“死亡事故が含まれている”からではない。ていうか、そんなの池田信夫、わかってて書いてるんじゃないのかなあ。このコラム、ナニが言いたいコラムなのかなあ。もしかして、原発再稼働の邪魔をしている新潟県知事の泉田を叩きたいだけなのかも。

Author: shun

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