今日のサザンビーチ と今日の放射線量

今日朝9時の線量は0.038μSv/h。そしてこの24時間は38〜39で推移していたようだ。

たまに取り上げる、池田信夫氏のblogである。言論人であるはずの池田信夫だから、ワシのような一般人のネタにされたり批判されるのはやむを得ないよね。ということで「立憲主義に反する志賀原発への死刑宣告」ってコラムだが、いやいや、まだ死刑宣告は出されていない。有識者会合が、活断層だと考えるのが合理的だ、と規制委に答申したっつー段階だ。
また、あなたの家がいきなり、あとからできた法律が過去に遡及されることになり、取り壊されることになったらどうする、みたいな例で喩えているけど、これはまあわかって書いてるんだろうけど、あまりに荒唐無稽である。原発は、そこらの家ではない。家に喩えるなら、地震が来てその家がひっくり返ると、数十万人の人間が避難を強いられるとか、半径100kmの国土がパーになる、という前提で喩えないとダメだろう。
しかし、池田氏も書くように、北陸電はある日勝手に、ここに原発を建てたわけではない。ちゃーんと地質調査したりあらゆる手続きを合法的に進めて、1987年1月26日、通商産業省に原子炉設置許可申請を提出し、1988年8月22日に原子炉設置許可を受けている。その結果、北陸電は池田氏コラムに寄れば“2基で7000億円の建設費”を投資して事業を行っていたわけだ。これを、国の都合で止めろっつーわけなので、国家賠償が必要だ、という氏の主張は、ある面で理屈が通っている。まあ、建屋直下に活断層があるとされているのは1号機で、そっちは2号機より13年古くて出力も2号機の半分以下。池田コラムは、国の都合で7000億の施設がパー、みたいに書いてあるけど、実際はそれほど大きくはない。とはいえもちろん2号機も1号機の横に並んで建ってるのだ。仮に再稼働を目指すにしても大規模な耐震改修が強いられるだろう。

では、その北陸電が強いられるだろう2号機の耐震改修の費用はどうするんだ、と言われたら、そりゃ新しい知見を安全な稼働に活かすための、北陸電が負担すべき費用となるんじゃないだろうか。現に1F(フクイチ)事件では、設計時の想定よりでかい津波が来るという新しい知見が得られながら、東電が対策費用をケチって防潮堤かさ上げサボってたという、東電の不作為(&経産省の黙認)が問題になったわけだ。
しかし志賀では、原子炉直下の断層が活断層である、という新しい知見が得られたいま、幸いにしてそれはまだ地震が来る前で、原発がぶっ飛ぶ前なんだから、そりゃもうなんか手を打つしかないのだ。その結論が廃炉なのだとしたら、さて、それは認可した国の責任か、それとも事業者の負担すべき事由か。

ていうか、今回の原発を取り巻く諸問題のなかので、最大の問題は、国家の意思やビジョンがまったく見えないことだ。30年代に原発をゼロに、という民主党政権時の閣議決定は水に流れたが、自民党も脱原発の方針があるような無いような、そこがよくわからない。国家として脱原発を決めれば、そんなもん、国家賠償なのか、あるいは廃炉原発に補助金や報奨金出すのか、なんでもいいけど、電力会社が首を縦に振れる道を作って脱原発を進めればいいわけだ。逆に、福島の教訓に懲りずに原発ドンドンで行くなら行くで、サクサク再稼働させて電力会社の経営を安定させ、電気料金を下げさせて経済効果に反映させればいい。いまは、まるでババ抜きのババを誰に押しつけるか、みんながカードを回しまくってるような状態だ。どのカードがババなのかわかってないのに。

Author: shun

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