今日のサザンビーチ と今日の放射線量

今日朝9時の線量は0.038μSv/h。そしてこの24時間はずっと38で推移していたようだ。

理系を自認するひとたちは、科学的知識だとかデータだとかも好きだし、それを元に組み立てた理論や結論が好きである。ついでにいえば、その結果、いわゆる文系をバカにする傾向まである。乱暴なたとえ話をするなら、暗い夜道、墓場の近くを歩いてて、恐いなあ、お化けが出たらどうしよう、という文系に対して、バカだなあ、お化けなんか科学的に存在しないんだよ、とかいうのが理系である。
しかし、ちょいと考えりゃわかるが、お化けがいない(あるいは霊魂が存在しない、とかなんでもいいんだけど)ということなど、アインシュタインだって証明できていない。つまりいま、あんたが“科学的にお化けなんかいない”と言うのは、いまの科学では、お化けが存在する、ということが証明できてない、ということでもある。100年後の科学では、なーんだ霊魂、そこかしこにウロウロいたんじゃん、なんてことになって、さらに可視化にも成功してたりして、お盆になったらどこの家でも死んだ先祖と和気藹々、なんて世の中になってるかもしれないじゃん。科学、科学言うのはいいけど、それはあくまでも、今日の科学である。

たとえば復興庁の「避難指示区域の見直しにおける基準(年間20mSv基準)について」つー文書は、そんなに線量なんか気にせず故郷へ帰れよ、という主旨で作られているんだろう。しかしそこには“科学的に”こう書かれている。

100mSv以下の被ばく線量では、他の要因による発がんの影響によって隠れてしまうほど小さいため、放射線による発がんリスクの明らかな増加を証明することは難しいとされている。

 つまりここには、科学的にガンになるという証明はできないと書いてあるんであって、影響がない、とは書いていない。ガンになる、とは証明できないが、ガンにならない、とも証明されていないわけである。

そんな低線量を怯えるなんてバカだなあ。ヒコーキに乗ったってレントゲン検査だって、もっと被曝するのに……。というのは、確かにそうなんである。しかし、それは自分の意思による被曝だ。どっかのクソバカが放射能撒き散らして、いや、科学的に大丈夫ですから、年間1mSv以下だから、家に帰れ、モノを喰え、それができないのは風評だ、避難するのはオマエの勝手だから賠償打ち切りだ自己負担だ、というのは、実は科学ではない。企業と政府の都合である。

ホントに科学を知ってるヤツは、科学の限界を知っているのだ。原発にゼロリスクを求めるなんて科学的に間違ってる、バカだなあ。と、政府や東電が言うのは、ちゃんと政治的、経済的な意図があるから言うんである。しかしそこらのヤツが、ちょっとそこらのヤツより賢いつもりになって、科学的に見える意見の受け売りをしていると、将来、なーんだアイツ、政府や東電の犬だったのか、とか思われちゃうかもよ。

Author: shun

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