今日のサザンビーチ と今日の放射線量

古い原発を山ほど抱えてるのは、もちろん日本ばかりではない。世界最初の商用原子炉を稼働させたイギリスも、当時、核大国として各国間で開発競争に明け暮れ、黒鉛減速のガス冷却炉、マグノックス炉を中心に稼働を終えたのが何基もある。原発止めたら、その原発が発電して電力が消える。電気が余ってりゃともかく、それまでの需給バランスが取れてたなら、その分の電力が不足するから、どこかの発電所の発電量を増すか、あるいは新たな発電所を作るかしなければならない。で、英国だっていくつもの原発のリプレイスや増設の計画が活発に動いてた。原発建設ラッシュを見越して、東芝子会社のWHにしろ、日立のホライズン・ニュークリア・パワーにしろ、三菱にしろ、そういうのが受注争いを展開し、その後では経産省が旗を振っていたのだ。
そんなところに、1Fがぶっ飛んだ。アメリカはもちろん、イギリスも、こりゃヤバイ、と思った。そして規制が強化され、東芝はぶっ飛んだ。東芝みたいに体質がクソじゃなかったので、屋台骨がひっくり返るようなことはなかったけど、日立だって巨大な損をかぶった。三菱だって、アメリカの訴訟じゃなんとか主張に沿った判決もらって屋台骨は折れなかったけど、やっぱりかなりひどいことになっている。
しかし、とはいっても電気は要るのだ。というわけで英原子力規制局は、東芝傘下の電力会社が建設を計画していたイングランド北西部のムーアサイド原発の、WHの原子炉を承認した。審査に10年かかってる間にWHは破産したけど、再生前提の話だから、チャプターイレブン後のWH株も、ちょっとは売りやすくなるのかもしれない。しかし建設費は膨れあがる一方、東芝本体もムーアサイドから手を引いたいま、EU離脱の英国でこの原発がペイすると判断され、最終的に稼働に漕ぎ着けられるのか。現状ではまったく不透明だが。

Author: shun

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