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打ち合わせや取材などで、名の知れた企業を訪れると、そこから見える空のすごさに圧倒されてしまう。有名な高層ビルの上層階はもちろん、それが十数階といった無名なビルの中層階であっても、巨大な都市をパノラミックに見渡し、その上に、さらに大きく空が広がるという、なんとも贅沢な景観が窓の外に広がっていて、ついつい、打ち合わせや会議の内容が、どこかへいってしまう。(^^;;
たとえばある企業の会議室。正面遠くに新宿の高層ビル群。そのさらに向こうには富士が写真で見慣れた稜線を見せる。遮るものもなく広がる空に、浮かぶ雲。さらに雲々が刻々その色やカタチを変えていく夕刻などになろうものなら、もはや仕事などしている場合ではない。たまたまその場所を訪れた者としては、大きな窓にへばりついて、状況が許す限り、ただ外を眺め続けるわけである。もはや、ただのコドモだ(爆)。
その大きな窓の外に広がる、季節の移ろい、時間の流れ、そして天候の変化さえ我がものとして、日々働き、あるいは生活する人々がいる。都市では、空にも、貧富の差があるのだ。
田舎は、空に関しては、誰にもやさしい。写真は、今日の夕刻、同じ時間の、北と西。こんな小さな二階建ての借家からだって、大きな空も、そして雲がなければ富士山さえ眺めることもできる。貧富の差があるとしたら、電柱とか電線が少ないとか、海も見えるとか、まあ、その程度の差しかないんじゃないだろうか。
しかし窓から海は見えなくても、ちょっと歩けば、はるか沖に浮かぶ大島を手前に、太平洋に猛然と沸き上がる積乱雲や、海の向こうに伸びる伊豆半島から富士山を紅に染めて沈む夕陽を、好きなだけ味わうことができる。そしてそんな特等席へ行くのに、ICチップを埋め込んだ一流企業の社員証や、面倒なセキュリティチェック、そして入場料などは不要なのだ。

Author: shun

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