そして最後は静かなバーで


獣医の先生とネコの話だったりするんであった。いわゆるセカンドオピニオンっていうより、死生観に関する雑談のようなもんだ。
当たり前だけど、ネコに”闘病”なんて概念はない。人間は、明日、いまより良くなるために、あるいはもっと長生きするために、苦痛を我慢することもできるけれど、ネコにとっての治療は、たいていの場合、ただの苦痛である。前にぽんを看病したとき、ヤバい痙攣を起こしてからなお、ぽんは一ヶ月も頑張ってくれた。でも、いま思うと、まだぽんと一緒にいたいというワシのワガママにぽんを付き合わせて、一ヶ月も余計な苦しみを我慢させたんじゃないか、なんて思うんだよなあ。
でも、チビは3年前に手術をしたおかげで、いまもこうしてエサクレエサクレと横で大騒ぎできるんである。生きて、そして死ぬ。それはすべての生き物に普遍なわけだけど、ネコを自然に生き、自然に死なせるっていうのはとても難しいよなー。たまには人工的に死ぬのを先に延ばすことが、幸せな結果をもたらすこともあるわけだし。

Author: shun

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